連携企画:京都大学東南アジア地域研究研究所【ビジュアル・ドキュメンタリー・プロジェクト】
プラロットとメーリー
上映情報
- 会場上映
- 会場上映
- 上映日
- 10月13日(金) 18:00~
- 会場
- 京都大学 稲盛財団記念館
- 料金
- 無料
- 登壇
- マリオ・ロペズ(VDP代表/文化人類学者/ 東南アジア地域研究研究所 准教授)、平松秀樹(字幕・解説/タイ研究者/東南アジア地域研究研究所 連携准教授)、【MC】木尾モデル
作品解説
貧窮のため両親に捨てられた12人姉妹が、人間に変身した女夜叉サンタラーに養女として引き取られるが、
人喰い夜叉の正体を知ると逃亡し、そこで出会った王に気に入られて全員王妃となる。
しかしサンタラーが王をだまして筆頭王妃となると、12人姉妹の目玉をくり抜いて洞窟に幽閉してしまう。
片目が残った末娘以外の姉妹は正気を失い、生まれたばかりの子の死肉さえ食らうようになるが、
末娘は我が子を守り抜き、子供は心優しいトランスジェンダーの夜叉によって育てられてロットセーン王子となる。
ロットセーンはある日、夜叉国にいるサンタラーの娘メーリー王女へのお使いを頼まれるが…。
故ソムポート・セーンドゥアンチャーイ監督追悼上映。
PRポイント
Visual Documentary Project(VDP)は、映像を通して東南アジアを理解することを目的の一つとしているドキュメンタリー公募プロジェクトです。毎年この時期に京都国際映画祭の協力を得て、東南アジアの映画やドキュメンタリーの上映会を実施しています。
今回上映するのは、1960年代初頭に日本に2年間の映画留学をして円谷英二監督のもとで特撮技術を学んだのち、タイで数多くの特撮映画を製作した故ソムポート・セーンドゥアンチャーイが技術監督を務めた1981年公開の映画、『プラロットとメーリー』です。この作品は東南アジア大陸部に広く伝わる民話「12人姉妹」を題材としていて、タイの人々にとっては小さな頃から身近にある物語が映画化されたとあって、公開当時のタイで大成功を収めました。日本の特撮技術によってタイの民話がファンタジー映画として蘇ったという映画史の一頁としても見どころが満載ですが、日本では配給されなかったため、滅多に観ることができない映画です。
この度、2021年8月に亡くなったソムポート監督と生前から親交のあったタイ研究者の平松秀樹先生による日本語字幕とソムポート監督ご遺族のご厚意により、VDPでこの映画を上映できる運びとなりました。
これは個性豊かな登場人物たちが織りなすユーモア溢れるファンタジーなのか、はたまたロットセーン王子と夜叉国メーリー王女の悲恋の物語なのか。仏教およびジェンダーの観点から日タイ比較文学・比較文化研究を行う平松先生は、「ガタンユー」(報恩、親孝行)というタイ社会において最高善とされる概念を用いて、タイ映画をより深く理解するための解説を展開します。
そして今年は、VDP2023の公募テーマである「笑!」にちなんで、吉本興業の木尾モデルさんをMCにお迎えします。秋の夜長に、一緒にタイの民話に思いを馳せませんか?
監督・作品データ
- 監督
- ネーラミット、ソムポート・セーンドゥアンチャーイ
- 国
- タイ
- 公開年
- 1981